薬を使わないうつ病治療を調査
薬を使わないうつ病治療について紹介。点滴療法や心理療法、デトックス療法、電気磁気治療、栄養療法など、薬物療法とは異なるアプローチでうつ病の原因へはたらきかける治療をまとめました。
点滴療法
さまざまな栄養素を摂り入れる点滴療法。直接、静脈内に注入することで、より高い効果が期待できるといわれています。
がん治療の代替療法やエイジングケア治療にも用いられている高濃度ビタミンC点滴、高い抗酸化作用を持つ水素点滴、人間の身体に必要なビタミンやミネラルを注入するマイヤーズカクテル点滴、豊富な栄養素が含まれたプラセンタ注射、疲労回復効果が期待できるニンニク注射などがあります。
高濃度ビタミンC点滴療法など
うつ病治療で用いられる点滴療法を詳しく
心理療法
うつ病治療の心理療法としては、カウンセリング、箱庭療法、認知行動療法が有名です。
カウンセリングは臨床心理士や公認心理師が行う治療で、患者が自分を客観視することで、課題に気づくようになるとされています。
砂が入った箱の中にミニチュアを自由に置いていく箱庭療法では、何かを表現することで、クライエントが自覚していない無意識の部分を引き出したり、新たな気づきを得ることができます。
物事の捉え方や考え方を変えることで、気持ちや行動を変化させようという治療法が認知行動療法で、問題解決型の心理療法ともいわれています。
デトックス療法
デトックス療法の代表が、体内に蓄積した有害金属を排出するキレーション療法です。キレート剤を点滴で注入し、有害金属を体外へと排出します。
アメリカでは50年以上前から行われてきた治療法で、動脈硬化や糖尿病、アルツハイマー病、慢性関節リウマチなどに適用があります。
うつ病治療で用いられるデトックス療法(キレーション療法)を詳しく
電気磁気治療
うつの治療で用いられるのはおもに、TMS(磁気刺激治療)と電気けいれん療法(ECT)です。
TMSは脳の特定部位を磁気刺激で活性化させて、機能低下した脳の回復を図り、うつ状態の寛解を目指します。
ECTは、脳に電流を流し、発作を起こす治療で、脳のすべての細胞を一度に興奮させることで数種類の神経伝達物質を放出し、うつ状態の改善につなげます。
うつ病治療で用いられる電気磁気治療(TMS・ECT)を詳しく
栄養療法
体内の栄養バランスの乱れが症状の原因であると考え、身体に足りない栄養素を導き出し、食事療法やサプリメントでその栄養素を補うことで、症状の改善や予防を目指す、オーソモレキュラー(分子整合栄養医学)に基づいた治療法です。
使用するサプリメントは自然界に存在する栄養素がベースの、厳しい基準を満たす国内工場で生産された医療用のものです。
うつ病治療で用いられる栄養療法やオーソモレキュラー療法を詳しく
温熱療法
温水を使って、身体の表面温度だけでなく、深部体温を温める治療法。
体温を上げることで全身の血液循環がよくなり、代謝も活発になるため、免疫力や抵抗力が上がるといわれています。
体温が上がることで冷えが改善したり、女性が感じる不調の解消などの効果もみられるようです。
副腎疲労の治療
副腎とは腎臓の上に位置する約2~3cmの小さな三角形の臓器。副腎は人が生きるために必要なホルモンを分泌するという、とても大切な役割を果たしています。
日々のストレスにより副腎の機能低下が続くと、ホルモンバランスが乱れ、慢性的な疲労、精神不安、食欲不振、下痢、アレルギー症状などの様々な症状を引き起こし、これによってうつ病が発症することもあります。
副腎疲労の治療は副腎ホルモンの投与になりますが、副作用のリスクもあります。副腎ホルモンの副作用として、免疫力が低下するため感染症にかかりやすくなります。
ホルモンの補充期間としておよそ半年、副腎疲労が回復するには1年~数年を要しますが、治療期間には個人差があります。
うつと腸内環境の関係性
代表的なものは腸内環境悪化による慢性カンジダ(真菌)感染です。症状は、抑鬱症状、集中力の低下、記憶障害、情緒不安定、不眠症、慢性疲労倦怠感、学習障害、多動など。
他にも可能性があるのがリーキーガット症候群。腸に穴があいてしまうことで、本来体内には取り込まないはずの細菌や毒素などの有害物質が体内に取り込まれ体調不良の原因になっている状態です。
これらの症状の原因はカンジダ菌の異常繁殖による毒素の影響。腸内のカンジダ菌を調査するための有機酸尿検査や、腸内環境検査(遅延型フードアレルギー検査)を行い、腸内環境を改善するために、カンジダを除菌することが根本的な治療になります。
うつと食物アレルギーの関係
一般的に食物アレルギーは、卵、大豆、牛乳、そば、えび・かになどを食べた後、すぐに出るじんましん、身体のかゆみ、呼吸困難などの症状が出ることを言います。食物を食べてから症状が出るまでの時間が短いので、原因となる食物がわかりやすいアレルギーです。
それに対して、食物を摂取後、数時間から数週間後に症状が出現する食物アレルギーがあります。
これは遅延型フードアレルギーと呼ばれ、食物を食べても症状がすぐにでないため、正しく診断することが困難です。しかも、まさか食べ物が原因とは思えないような症状を引き起こすこともあり、これがうつ病とされることがあります。
治療にはIgE抗体検査によりアレルギーを起こす食品を特定し食事制限をしますが、成長期のお子さんは発達に影響することがあるので注意が必要です。