電気磁気治療(TMS)
うつ病の治療に用いられているTMS(磁気刺激治療)と電気けいれん療法(ECT)について紹介しています。
うつ病治療におけるTMS(磁気刺激治療)とは
副作用が少なく治療時間が短縮できる
TMSは、「transcranial magnetic stimulation」の略で、磁気刺激によるうつ治療です。
以前は、心の病と考えられていたうつですが、近年では、脳の問題であることがわかり、とくに前頭前野にある背外側前頭野の機能低下が大きく影響しているといわれています。
磁気刺激で脳の特定部位を活性化させることで、機能低下した脳の回復を図り、うつ状態の寛解を目指していきます。
副作用が少なく、治療時間が短縮できる治療法です。
治療内容・流れ
リラックスした状態で治療が受けられる
初診時に症状を診断し、TMS治療の適否を判定し、刺激部位を選定。専用の椅子に座り、頭部にキャップをかぶり固定し、刺激部位を決定していきます。
刺激部位の決定は非常に重要なため、1時間ほどかけて慎重に行います。
麻酔などの処置もなく、1回3~20分ほどの磁気刺激を受けますが、ほとんどリラックスした状態で治療を受けることができます。
治療ペースは週に2~5回。合計で20~40回の治療が必要だといわれています。
1回あたりの費用
4,000~15,000円(税不明)
治療期間
3~6週間
副作用
軽度の頭痛程度の痛みがある。治療中は頭部に少し刺激がある。
聴力低下、脳波への影響、失神、けいれん、局所痛などが起こる場合がある
禁忌
刺激部分の近くに人工内耳やペースメーカーなどの金属をもっている人、けいれんのリスクが高い人、重篤な心疾患のある人
こんな人におすすめ
- 長年の薬物療法で改善が見られない人
- 薬の服用に抵抗感がある人
- 長年飲み続けている薬をやめたい人
- できる限り早く治したい人
- 妊娠を考えている人
- 授乳中の人
- 薬物で副作用が出やすい人
- 薬の副作用が強く、服用の継続が難しい人
治療を受けられるクリニック一覧
ベスリクリニック
- 所在地:東京都千代田区神田鍛冶町3-2 神田サンミビル8F
- 電話番号:03-5295-7555
東京TMSクリニック
- 所在地:東京都渋谷区恵比寿西1-1-2しんみつビル5F
- 電話番号:03-5422-3538
新宿ストレスクリニック
- 所在地:(品川本院)東京都港区港南2-6-3シントミビル5F
- 電話番号:(品川本院)0120-772-909
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電気けいれん療法(ECT)
脳に電流を流し発作を起こす治療法
電気けいれん療法は、ごく短い時間、こめかみにつけた電極から脳に電流を流し、発作(けいれん)を起こす治療法です。
脳のすべての神経細胞を一度に興奮させることで、数種類の神経伝達物質を放出し、うつや統合失調症の改善につながるといわれています。
精神症状が重く、全身状態が悪化していたり、ほかの治療法で効果が見られなかったり、以前、この治療で改善が見られた場合などに行われます。
治療内容・流れ
30~45分程度の治療時間
麻酔をかけるため、ECTの6時間前から飲食はできません。脱水にならないよう、点滴を受けます。
心臓の動きや血圧、血液中の酸素濃度などを測るための装置や、脳波を測定するための脳波計の電極を取り付けます。
酸素マスクをつけ、点滴をし、そこから麻酔薬を注入。麻酔薬で眠った後に筋弛緩剤を注入し、身体の緊張が消えたのを確認してECTを行います。
麻酔から回復したら、心電図などで異常がないかを確認し、30分ほど安静にします。
治療開始から終了までは30~45分程度です。
1回あたりの費用
保険適用で10,000~12,000円(税不明)
治療期間
週に2回の治療を6~12回(3~6週間)程度施行
リスク
ECTの直前直後の記憶が一時的に失われることがある
副作用
治療後、頭痛、筋肉痛、めまい、吐き気、嘔吐、恐怖感、錯乱などが起こることがある
こんな人におすすめ
- 薬の効果がなかなか見られない人
- 薬の副作用が強く出てしまうため治療が難しい人
- 電気けいれん療法で効果が見られたことのある人
- 食べることも飲むこともせず、生命維持のための手段も拒否し、生命が危険にさらされている人